斜めダンディズム

日常に補助線を。

思考

#41 歌の身体性

歌を聴くこととその歌の歌詞を読むこととは全く異なる体験だ。歌 は { 歌詞 , 声 , メロディ, 振動 } といった要素で構成され、歌詞を読むと行為には声、メロディやリズム、振動が欠落する。 欠落する要素 声: 音色や抑揚が持つ非言語的な感情情報。 メロデ…

#37 考える木

木の分岐構造は自然界に広く存在するパターンであり、人間はその木というオブジェクトを抽象化し枝の分岐構造を見出した。木の物理的な形状を「根・幹・枝・葉」といった階層に分解し、それを情報構造の「ルート・ノード・エッジ・リーフ」に分解した。この…

#33 感覚とリンクする言語の可能性

「#25 完全言語の妄想」でオノマトペを応用した言語開発の可能性について述べた。オノマトペと記号接地問題について思うことを書いてみる。 抽象的な記号(例えば、言語や数字)は、それだけでは意味を持たず、外部の世界との対応付けが必要だ。記号や言葉が…

#28 解釈学的循環的理解

思考プロセスの内部観測と理解関数の定義 解釈学的循環を理解関数に組み込む 各ステップの詳細と解釈学的循環の反映 1. 類推(部分, 全体) 2. 統合(部分, 全体) 3. 仮説(全体 -> 部分) 4. 検証(部分 -> 全体) 5. 内部表現の更新(部分 <-> 全体) 思考プロセス…

#27 「りんご」を理解するということ

意味を理解するということはどういうことか。「りんご」という音声や文字を聞いたり見たりすることで、その言語記号が識別される。この言語記号を「赤くて丸く、甘くて硬い果物」という観念やイメージ、さらにはその果物が持つ文化的・社会的な文脈(日本で…

#26 「木製のMacBook」という思考実験

1. 再構築の構造 健康は損なって初めてその価値を認識できる無形資産だ。健康を考える上で、動物性食品との付き合い方は重要だ。私は動物性の食品を控えるために、例えば、ハンバーグの肉だねにおからや豆腐、豆腐パウダーなどを混ぜる。肉の量を抑えれるだ…

#25 完全言語の妄想

言語と思考 言語設計 人工言語 最後に 言語と思考 言語によって思考や認知、世界の捉え方は異なるのか。この問いを扱う仮説に、サピア=ウォーフの仮説や言語相対論が存在する。僕たちは生まれる場所を選べない。生まれ落ちた場所の言語を学び、文化に触れ、…

#23 仮説的な存在

本に書かれていることは世界の一部でしかない。本にかけることは限られている。手に持って読めるという物理的な制約、需要や供給、コストといった経済的な制約。さまざまな制約をクリアしたほんのわずかな一部の情報たちが本という形を得る。 本に入りきらな…

#22 知能の身体性

スーパーでカニが並び出した。蟹味噌の値段を見ながら蟹味噌って脳みそじゃないことを思い出した。仮に蟹味噌が脳みそだとして、その脳みそを食べると食べた対象の思考が乗り移る科学現象が実在するのだろうかと思い耽った。思考を食べ物として摂取するとい…

#21 構造の捉え方

プログラム開発においてソースコードを解析するのは大変だ。ソースコード解析にもコツがあり、まつもとゆきひろは「ソースファイル名」を重視している。 ソースコードを読み解くときは、まずプログラム全体の枠組みを理解することが有効でしょう。プログラム…

#20 機能の反転

今日はキャンプマットを斜めに見てみる。かれこれ半年ほどキャンプマットで睡眠をとっている。場所を取らないこと、掃除がしやすいこと、引越しが楽なこと、...と結構メリットが多い。私が使用しているキャンプマットは空気で膨らませるタイプのものだ。 で…

#16 それが知りたかったレコメンドシステム

今の自分にとって一番身に沁みる本に、概念に、物語に、文章に出会いたい。自分という存在が揺るがされるほどのパラダイムシフトに遭遇したい。これが私が本を読む理由である。長年読みたいと思っていた本だけを購入しても、そのような本は数十冊に1冊ほど…

#9 場所と思考

アイデアは場所の制約を受ける。図書館で考えるときのアイデアと雑多な商店街を歩きながら考えるアイデアが質的に異なるのはそのためだ。言い換えると僕たちはその場所を起点に物事を考えている。その場所で正いとされていることやその場所にとって面白いと…

#8 思考と身体性

藤井七段は閉じたままの扇子を手元でくるくるさせたり、消しゴムをくるくるさせるながら思考することが知られている。私の経験に当てはめてみると数学の問題を解いていた高校生の時にペン回しをしてした。理数系の思考とペンを回す動作に何らかの相関がある…

#2 七五調の謎

なぜ六・八・六でも四・九・四でもなく、五・七・五なのか?そこには、感性共有に関するロジックがある気がしている。 井上ひさしは『私家版 日本語文法』の中で、日本語が七五調のリズムを刻むようになった理由として、日本語には「2n+1」という基本公式が…